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13. road to かば祭り(その二)


本の成り立ちにも触れてないのに、かば祭りの宣伝かよ、と前回思われた向きに言い訳です。

じつは自分でも、おかしいなと思っていました。
かば祭りの流れで持っていきたかった本来の思惑(おもわく)をすっかり失念してたのです。
ご主人のヒポオさん(仮名)のお顔が浮かんで、つい気をとられてしまいました。
hippo は hippo でも海馬の働きが弱いようで……。

さて、かば祭りという楽しげな響きに隠れていますが、
その実質は〈ヒポミのかばコレクション展〉。つまり展覧会です。
さすがそれを10回も重ねているだけあって、ヒポミさんが最も心を砕くのは、
カバたちをどう見せたらお客さんが喜んでくれるか、だといいます。

コレクションの数は2011年3月時点で5000点超。

 5000、、、

音楽マニアのCD5000枚とはワケが違います。
CDショップで買って、家の棚にびっしりすっきりー、なんてことはないのですから。

かばグッズ5000点がどのくらい大変な数かというと、
銀行で五千円札を全部1円玉にくずしてもらったとします。
その一つひとつが、大小とりまぜた別の姿のカバになっているとしたら。
……想像を拒否するものがありますね。

しかも、前にもちょっと触れましたが、
カバというのは動物キャラの中でのヒエラルキーが下層の部類、としか思えないほど、
そうしょっちゅうはめぐりあえません。そのなかにあっての、1円玉5000個です。

こぼれ話〕プレゼント魔だった生前の辺見のお遣いで、ネクタイを求めに伊勢丹men's館へ。そこで、私がこれまで見つけた全15点のカバのうちの一つに出逢いました。フェラガモ! 黄緑の地の色も柄も、奇抜といえば奇抜です。自腹ならば買いません。自分の男には買いません。しかし贈る先とは私、面識がないのであります。つまりもらう方のキャラに頓着する必要がない。で、即決。そして本心かどうかは知ったこっちゃありませんが、とっても喜んでくれたとのこと。贈った辺見、お遣いの私、もらった謎の人。みんなが満足、大団円なのでありました。

ヒポミさんが凄いのは、まず、そのすべてをナンバリングしてデータベース化していること。
私にも最初、データ上でおおよそのコレクション構成を示してくれました。
なじみ深い分野で言えば、図書館の司書の手腕でしょうか。
それらを、いわゆる物(ブツ)撮りのみならず、カバが映える写真にしてサイトにアップしているのです。

さらに凄いのが、当然5000点もあればヒポミさんの思い入れにも強弱は生まれるわけですが、
展示の際にはそういった私情はいっさい挟まないということ。
かば祭りはコレクションの披露の場ではなく、お客に求められているものを提供する機会だというのです。
これぞ祭りのプロ。

どんな本を作ろうかと相談しているとき、ヒポミさんがいみじくも言いました。
「かば祭りを開く過程と似ていますね」
そうなんです。ヒポミさん、本づくりは初めてでも、ターゲットを想定し、
キャパと動線を考慮しながら内容を固めていく作業は、お手の物だったのです。
打ち合わせのあと、ヒポミさんからメールをもらいました。

サイトやかば祭りを見て楽しんでくださるのと同じように、
思わず笑っちゃうような、知的で、エレガントで、ユーモアにあふれている本、
それがヒポミに期待されるカバの本ではないだろうかと考えました。


それまでコレクターというと、自己満足を追求している人、ってな印象がありました。
しかし、このヒポミさんの思いは、反対に、なんと客観的で、利他的であることでしょう。

思うに、趣味が高じてコレクションとなり、その充実の度が高まった時、
人は、なんらかの使命を帯びるのではないでしょうか。
たとえば本格的なコレクターがやがて美術館をもつのは、
死、という人間の運命に対する「責任」が芽生えるためだと思われます。

これは英国に言うノーブリス・オブリージュ!
面倒なので説明しませんが、持てる者の宿命です。

前回、到達しなかった結論はここです。
かばの本は、よって、ヒポミさんの献身による、紙上かば祭りとなるのです。

本がふつうのかば祭りと違うとすれば、
二次元での展示になる分、テキストが補足するという点。
見て楽しい、読んで楽しいそれぞれのカバの来歴やウンチクはもちろん、
全点にコレクションNo.を付すので、コレクションの経過を想像するのも楽しいですよ〜

また期間限定の展覧会とは違って、いつでもどこでも、本を開けばカバ時間。

さらに! 人が死んでも本は残ります。
もしかしたらまだ見ぬ孫、ひ孫もカバと出逢ってくれるかもしれませんね。いい仕事だ。



13.キンダーサプライズ.jpg


ヒポミさんにもらったドイツの卵形チョコ 
……の中の黄色いカプセルの中の、カバ 

クリスマスはおろか、バレンタインデーやハロウィンなど、
なぜ日本で?とやや呆れ顔にもなる行事が根付いてしまうこの国にも、
キリスト教圏ではクリスマスに次ぐイヴェントであるイースターは、
まだ影が薄いですね。とにかく卵が溢れる期間です。

このチョコはシーズン限定ではないようですが、
おまけのカバはヴァリエーションがいっぱいある人気シリーズ。
ビックリマンチョコと同じ運命でも、致し方なし!

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